海外赴任の内示を受けたものの、「何から手をつければいいのか分からない」と戸惑っていませんか。
ビザや予防接種、家族のこと、お金のことと、やることが一度に押し寄せてきて、気づけば渡航日が迫っていたという話もよく聞きます。
- 何から始めればいいか分からない不安
- 手続きの順番とタイミングの迷い
- 会社に任せてよい範囲の分かりにくさ
- 家族との話し合いの進め方
- 直前に慌てたくない気持ち
内示を受けたのですが、渡航までにやることが多すぎて頭が整理できません。



私も2回の内示を経験しましたが、最初にチェックリストを作れば慌てずに済みます。
私はドイツのミュンヘンに3年、中国の上海に4年、合計7年駐在しました。
この記事では、内示から渡航、着任直後までにやることを時期ごとに整理し、私が実際に困ったことや失敗も正直にお伝えします。
それぞれの詳しい内容は関連する記事で解説しているので、このページを準備の地図として使ってください。
海外赴任はチェックリストから


2回の海外赴任を経験して、準備で一番大切だと感じているのは、最初に渡航までのチェックリストを作ることです。
やることとタイミングがはっきりしていれば、内示から渡航までの限られた期間でも、慌てずに一つずつ片づけていけます。
ここでは、実際の準備期間の目安と、チェックリストを作るときに押さえておきたいポイントをお伝えします。


内示から渡航まで4〜6ヶ月の実例
内示から渡航までの期間は、ミュンヘンのときが4ヶ月、上海のときは6ヶ月でした。
どちらも、長いようでいて、やることを並べてみるとあっという間に過ぎていく期間です。
会社や赴任先によっては、もっと短い期間で準備しなければならない場合もあります。
チェックリストで慌てずに済む理由
チェックリストを作ると、やることとタイミングが明確になるので、慌てることがなくなります。
何ヶ月もかかる手続きと直前でよい手続きを分けて並べておけば、今やるべきことが一目で分かるようになるのです。
逆にリストがないと、直前になって大事な手続きに気づき、バタバタすることになります。
会社と自分の役割分担の確認
チェックリストを作るときは、会社がやってくれることと自分でやることを分けておきましょう。
会社もサポートしてくれますが、困ったことがあれば、結局は自分から動く必要があります。
自分で調べて自分から動く前提で、会社にどこまで任せられるかを最初に確認しておくと安心です。
内示直後にやること


内示を受けてすぐの時期は、細かい手続きに取りかかる前に、赴任全体の方針を家族と一緒に決めることが何より大切です。
私も内示のあとは、まず赴任までにやることを確認し、家族とは帯同するかどうかについて何度も話し合いを重ねました。
ここでは、内示直後の1ヶ月ほどでやっておきたい3つのことを順番に紹介します。
家族との帯同か単身かの話し合い
家族がいる場合は、まず帯同するか単身で行くかを話し合います。
私も内示のあと、家族とは帯同するかどうかを何度も話し合いました。
子どもの年齢や配偶者の仕事によって答えは変わるので、判断の基準はこちらの記事を参考にしてください。


赴任までにやることの洗い出し
次に、赴任までにやることをすべて洗い出します。
予防接種やビザの申請のように、何ヶ月もかかる手続きもあるので、早い段階で全体を把握しておくことが大切です。
洗い出したものを、この記事の時期の区切りに当てはめていくと、自分用のチェックリストになります。
赴任経験のある先輩への相談
準備を進めるうえで一番参考になったのは、海外赴任を経験した先輩の話でした。
私の周りには経験者が多く、実際に赴任した人の直接の言葉が何よりの判断材料になりました。
社内に赴任経験者がいれば、早めに話を聞かせてもらうことをおすすめします。
渡航3〜6ヶ月前にやること


渡航の3〜6ヶ月前は、ビザや就労許可、予防接種など、時間のかかる手続きを始める時期です。
これらは思っている以上に時間がかかることがあり、後回しにすると渡航日に間に合わなくなるおそれもあります。
ここでは、早めに始めないと間に合わない準備を、私のドイツ赴任での苦労も交えながらまとめました。
ビザと就労許可の申請
赴任先で働くためのビザや就労許可は、会社の体制によって手間が大きく変わります。
2006年のドイツ赴任では、現地に人事の専門の担当者がおらず、上司が直接、就労許可の手続きをしてくれました。
専門家ではないので抜けも多く、結果的に私は何度も役所に通うことになりました。
- 手続きの担当者
- 必要な書類の一覧
- 申請から許可までの期間
- 家族の分の手続きの有無
体制のしっかりした会社であれば、ここで苦労することは少ないと思います。
ただ、任せきりにせず、必要な書類や流れを自分でも把握しておくと、抜けに早く気づけるはずです。
予防接種と健康診断
赴任先によっては、複数回の接種が必要な予防接種があります。
接種の間隔を空ける必要があるものもあるため、出発の3ヶ月以上前から医療機関に相談しておくと安心です。
必要な予防接種は国によって違うので、厚生労働省検疫所(FORTH)の案内なども確認しておきましょう。私が実際に受けた予防接種と健康診断は、こちらの記事でくわしく紹介しています。


英語など語学の準備
語学に不安があるなら、渡航までの期間を勉強に使うのがおすすめです。
私はTOEIC350点でミュンヘン赴任が決まり、渡航までの4ヶ月で中学英文法の学び直しと音読に取り組みました。
英語が話せない状態からどう乗り越えたかは、こちらの記事で詳しく書いています。


保険と医療の確認
この時期に、会社の保険の補償内容と、現地での病院の探し方も確認しておきましょう。
私は7年間、会社の保険だけで困ることはありませんでしたが、補償の中身は会社によって違います。
赴任前に確認しておきたいポイントは、こちらの記事にまとめています。


渡航1〜2ヶ月前にやること


渡航の1〜2ヶ月前は、お金や住まい、役所の手続きなど、日本での生活を整理していく時期です。
やることの数は一番多くなりますが、一つひとつは短い時間で終わるものも多いので、チェックリストに沿って焦らず順番に進めましょう。
私の後悔も含めて、この時期に片づけておきたい4つの準備を紹介します。
お金と銀行口座とクレジットカード
海外赴任では、お金の流れを赴任前に整えておくことが大切です。
上海では給与が人民元で支払われましたが、現地の口座開設に時間がかかり、それまでの支払いに苦労しました。
口座や送金、クレジットカードの準備は、こちらの記事で詳しく解説しています。




住まいと荷物の整理
日本の住まいと荷物は、赴任前に断捨離してから整理するのがおすすめです。
私は持ち家があったので、不要な荷物はそこに置いていきましたが、ミュンヘンから帰るときには「もったいない」と使いそうにない物まで日本へ送りました。
上海の帰任間際も忙しく、部屋の物をほとんど日本へ送ってしまい、断捨離してから引っ越すべきだったと後悔しています。


税金と住民票の手続き
海外での滞在がおおむね1年以上になる場合は、海外転出届を出して住民票を移すのが原則です。
住民税は1月1日に住民票がある市区町村で決まるので、転出の時期によって翌年の住民税が変わります。
2024年5月からは、手続きをすればマイナンバーカードを海外でも使い続けられるようになりました。




赴任先ならではの準備
赴任先の国によっては、その国ならではの準備が必要になります。
たとえば中国では、LINEやGoogleがそのままでは使えないため、VPNを日本で契約しておく必要がありました。
中国への赴任が決まった方は、こちらの記事で準備の順番を確認してください。


渡航直前にやること


渡航直前の1ヶ月は、金融機関への届け出や荷物の最終確認など、日本を出発するための仕上げの時期です。
私はこの時期に、住民票を移すことで必要になる手続きに直前で気づき、バタバタした経験があります。
直前に慌てないための3つの確認を、実際の失敗とあわせて順番にお伝えします。
証券口座など金融機関への届け出
私が直前に慌てたのが、証券口座の手続きです。
住民票を国外に移すので証券会社への届け出が必要だったのですが、その必要性に直前で気づき、急いで手続きをしてバタバタしました。
NISAは出国前に「継続適用届出書」を出すと、条件を満たせば最長5年間そのまま持ち続けられますが、対応していない証券会社もあるので早めに確認してください(東証マネ部!の解説)。
持ち物とスーツケースの最終確認
出発前には、持ち物とスーツケースの最終確認をしておきましょう。
現地で手に入りにくい物を優先して準備し、スーツケースの大きさや数、変換プラグなども確認しておくと安心です。
持ち物のリストや選び方は、こちらの記事でまとめています。






着任直後のネットと支払いの準備
着任してすぐは、現地の携帯番号や銀行口座がまだない状態から始まります。
日本で使えるローミング型のeSIMや、日本のクレジットカードを登録して使える決済アプリなど、着任初日から困らない手段を用意しておきましょう。
中国のように規制がある国では、VPNの準備も欠かせません。


着任後すぐにやること


着任したら、いよいよ現地での生活と仕事が本格的に始まります。
最初の数週間は、住まいや手続き、お金のことなど生活の立ち上げに追われるので、日本にいるうちに流れを知っておくと落ち着いて動けるはずです。
ここでは、着任後すぐに押さえておきたい3つのことを、上海での体験も交えて紹介します。
最初の1週間の生活立ち上げ
着任後の最初の1週間は、生活の基盤を整えることを最優先にしましょう。
住まいや通信、買い物の場所など、毎日の生活に必要なことから順番に整えていきます。
最初の1週間でやることは、こちらの記事で詳しく解説しています。


給与が入るまでの資金の確保
私が上海に着任したときは、銀行口座を作るまでに2〜3週間、そこからさらに給与が入るまで約1ヶ月かかりました。
その間の支払いは、すでに駐在していた方にお金を送ってもらってしのぎました。
今は日本のクレジットカードを決済アプリに登録する方法もあるので、給与が入るまでのお金の手当てを出発前に考えておきましょう。


困ったときの相談先の把握
現地で困ったときに、どこに相談すればいいかを早めに把握しておくと安心です。
会社の窓口や医療サポート、日本人会など、相談先を知っているだけでも、いざというときの心強さが違うものです。
トラブルが起きたときの対処法は、こちらの記事にまとめています。


海外赴任の準備のよくある質問


最後に、海外赴任の準備について、内示を受けたばかりの方が特に迷いやすい質問にお答えします。
私の2回の赴任の経験と、住民票や予防接種などの公的な情報をもとに、できるだけ具体的にまとめました。
気になる質問だけ拾い読みしても分かるように書いているので、チェックリストを作るときの参考にしてください。
準備を始める時期の目安
準備は、内示を受けたらすぐに始めるのがおすすめです。
予防接種やビザのように何ヶ月もかかる手続きもあり、私の場合は内示から渡航までが4〜6ヶ月でした。
まずは全体を洗い出して、時間のかかるものから手をつけましょう。
会社に任せてよい手続きの範囲
会社がどこまで手配してくれるかは、会社や赴任先によって大きく違います。
私のドイツ赴任のように、手配してくれても抜けがあり、自分で役所に通うことになる場合もあります。
任せられる範囲を最初に確認し、任せた手続きも流れだけは自分で把握しておきましょう。
家族帯同と単身で変わる準備
家族帯同の場合は、子どもの学校や家族の分の手続きが加わります。
単身赴任の場合は、日本に残る家族との連絡方法や、生活費の管理のルールを決めておくことが大切です。
どちらを選ぶかで準備の量が大きく変わるので、内示直後に方針を決めておきましょう。
準備期間が短い場合の優先順位
準備期間が短い場合は、時間のかかる手続きから優先しましょう。
ビザや就労許可、予防接種は後から取り返せないので、最初に手をつけるべき準備です。
あわせて、住民票や証券口座など、出国前にしかできない手続きも忘れずにリストに入れておきましょう。
住民票を抜くかどうかの判断
海外での滞在がおおむね1年以上になる場合は、原則として海外転出届を出す必要があります。
住民票を移すと、住民税や年金、証券口座などの扱いが変わるので、関係する手続きをまとめて確認しておきましょう。
税金や社会保険の変化は、こちらの記事で整理しています。


赴任の準備にかかる費用
会社が負担してくれる費用が多くても、自分で払う費用は発生します。
どのくらいかかるかは、赴任先や家族の状況によって大きく違うのが実際のところです。
私の場合は、会社負担の赴任でもミュンヘンと上海でそれぞれ約20万円の持ち出しがあり、その内訳はこちらの記事で紹介しています。




まとめ|海外赴任はリストで準備
海外赴任が決まったら、まずは渡航までのチェックリストを作ることから始めてください。
この記事の時期の区切りをもとに、自分用のリストを作ってみましょう。
- 内示直後は家族の方針とやることの洗い出し
- 渡航3〜6ヶ月前はビザと予防接種と語学
- 渡航1〜2ヶ月前はお金と住まいと住民票
- 渡航直前は証券口座と持ち物の最終確認
- 着任後は生活の立ち上げと給与までの資金
やることとタイミングがはっきりすれば、限られた準備期間でも慌てずに進められます。
このページをブックマークして、準備の途中で迷ったときの地図として使ってください。
準備でつまずきやすいポイントは、先輩駐在員の失敗をまとめたこちらの記事で先に知っておくと安心です。









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