海外赴任が決まって、「会社が費用を出してくれるから、自分ではほとんどお金はかからないはず」と思っていませんか。
航空券や家賃は会社が払ってくれても、実際には自分の財布から出ていくお金があり、最初の給与が入るまでの生活費の心配もあります。
- 自分で払うお金がいくらになるかの不安
- 会社が負担してくれる範囲の分かりにくさ
- 最初の給与が入るまでの生活費の心配
- 手元にいくら用意すればいいかの迷い
会社負担なら、初期費用はほとんどかからないですよね。



大きな費用は会社持ちでしたが、それでも2回とも約20万円の持ち出しがありました。
私はドイツのミュンヘンに家族帯同で3年、中国の上海に単身で4年、合計7年駐在しました。
この記事では、2回の赴任で実際に会社が払ってくれた費用と自分で払った費用、そして給与が入るまでのお金のしのぎ方を正直にお伝えします。
初期費用は約20万円の持ち出し


海外赴任の初期費用で自分が負担したお金は、ミュンヘンでも上海でも、それぞれ約20万円でした。
航空券や引越し、家賃などの大きな費用は会社が払ってくれて、日本では支援金も出ましたが、それでも足りずに持ち出しになった金額です。
ここでは、会社負担でも自己負担がゼロにならない理由と、私の2回の赴任での実際の金額をお伝えします。
- 金額はいずれも約の数字
- 2006年と2020年の、私の会社での当時の条件
- 会社の制度によって大きく違う点


会社負担でもゼロにならない自己負担
会社負担の赴任でも、自己負担がゼロになることはまずありません。
会社が払ってくれるのは、航空券や家賃など赴任に直接必要な費用が中心で、仕事着や身の回りの物は自分で用意することになるからです。
「会社が出してくれるから大丈夫」と思っていると、出発前に慌てることになります。
ミュンヘンと上海でそれぞれ約20万円
自己負担の金額は、家族帯同のミュンヘンでも単身の上海でも、支援金を超えた持ち出しがそれぞれ約20万円でした。
家族帯同のほうが支援金は多かったのですが、そのぶん家族の物も増えるので、結局は同じくらいの持ち出しになっています。
ただし、これは私の会社の当時の条件なので、会社によって大きく違うと考えてください。
支援金だけでは足りなかった理由
支援金だけで足りなかったのは、赴任のために買いそろえる物が想像以上に多かったからです。
スーツなどの仕事着、スーツケースやカバン、靴と、一つひとつは小さな買い物でも、まとめると大きな金額になります。
何を買ったのかは、このあとの「自分で払った初期費用」の章で詳しく紹介します。
会社が負担してくれた費用


まずは、会社が負担してくれた費用から見ていきましょう。
私の2回の赴任では、航空券や引越し、着任直後のホテル、家賃と敷金、ビザなどの手続きの費用は、すべて会社が払ってくれました。
どこまで会社が負担するかは会社によって違うので、ここで挙げた項目を、自分の会社の制度と照らし合わせながら読んでみてください。
| 費用 | 私の場合 |
|---|---|
| 航空券 | 会社負担 |
| 引越し(船便・航空便) | 会社負担 |
| 着任直後のホテル | 会社負担 |
| 家賃と敷金 | 会社負担 |
| ビザ・予防接種・健康診断 | 会社負担 |
| 大型の家具・家電 | 物件に付いていた |
航空券と引越しと着任直後のホテル
赴任のときの航空券と引越し、着任直後のホテル代は、会社が負担してくれました。
引越しの荷物も、船便と航空便の両方を会社の手配で送ることができました。
着任してすぐは住む家が決まっていないことも多いので、ホテル代を会社が出してくれるかどうかは、必ず確認しておきたいポイントです。
家賃と敷金
現地で住む家の家賃と敷金も会社負担でした。
家賃や敷金は金額が大きいので、ここを自分で立て替えるとなると、初期費用は一気に膨らみます。
家賃の上限や、敷金を誰が払うのかは、住まいを探し始める前に会社に確認しておきましょう。


ビザと予防接種と健康診断
ビザの申請や予防接種、健康診断の費用も、会社が払ってくれました。
予防接種は種類によっては何回か通う必要があり、合計すると思ったより高くなります。
赴任の手続きとして必要なものは会社負担になることが多いので、自分で払う前に、精算の対象になるかを確認してください。
物件に付いていた家具と家電
冷蔵庫や洗濯機、電子レンジ、テレビなどの生活に必要な家電は、住んだ物件に付いていました。
大型の家電を自分で買いそろえずに済んだのは、初期費用の面でとても助かったところです。
物件を選ぶときは、家具や家電がどこまで付いているかも確認しておくと、余計な出費を防げます。
自分で払った初期費用


ここからは、自分で払った初期費用を紹介します。
約20万円の持ち出しの中身は、仕事着やスーツケースなど日本で買いそろえた物と、着任してから現地で買った生活用品です。
家族帯同の場合は子どもの物も加わるので、自分の状況に当てはめながら、何にお金がかかりそうかを考えてみてください。
スーツや靴などの仕事着
いちばんお金がかかったのは、スーツなどの服と靴です。
赴任先では毎日仕事に着ていくので、日本で新しくそろえました。
服や靴は現地でも買えますが、サイズや好みに合う物が見つかるとは限らないので、日本で用意しておくと安心です。
スーツケースとカバン
スーツケースやカバンも、赴任に合わせて買いそろえました。
赴任のときだけでなく、一時帰国や出張でも長く使うので、丈夫で使いやすい物を選ぶことをおすすめします。
スーツケースの選び方は、こちらの記事で詳しく紹介しています。


家族帯同で増える子どもの物
家族帯同のミュンヘンでは、チャイルドシートやベビーカーを現地で買いました。
おむつは、現地の物が子どもに合うか心配で、日本でたくさん買って送りましたが、結果的には現地の物で十分でした。
日用品は、日本から大量に送るより、まずは少しだけ持っていき、足りなければ現地で買うほうが無駄になりません。
IKEAとニトリでそろえた生活用品
現地で必要になった生活用品は、ドイツではIKEA、上海ではニトリでそろえました。
どちらも品数が多く手ごろな値段なので、着任してすぐに必要な物を一か所でそろえられるのが便利です。
ただ、上海でニトリの布団を買ったときは、大きくてかさばるので地下鉄で持ち帰るのがとても大変だったので、大きな物は配送を頼むか、タクシーで帰れるように準備しておきましょう。
初期費用を補う支度金と支援金


初期費用の負担を軽くしてくれるのが、会社から出る赴任支度金と支援金です。
私の会社では、赴任後に現地の給与として給料1ヶ月分の支度金が出たほか、日本でも赴任の準備のための支援金がありました。
ここでは、それぞれがいつ、どのくらい出たのかと、自分の会社で確認しておきたいことを紹介します。
給料1ヶ月分の赴任支度金
赴任支度金は、ミュンヘンでも上海でも給料1ヶ月分をもらいました。
ただし、支度金は赴任したあとに現地の給与として支払われる仕組みだったので、出発前の買い物には使えません。
支度金がいつ支払われるのかによって、出発前に自分で用意するお金が変わるので、タイミングも確認しておきましょう。
日本で出た支援金
日本では、家族帯同で約30万円、単身で約15万円の支援金が出ました。
仕事着やスーツケースなどは、この支援金を使って日本で買いそろえました。
それでも足りずに、それぞれ約20万円を自分で持ち出したというのが、2回の赴任の実際のところです。
会社の制度で確認したいこと
支度金や支援金は会社によって大きく違うので、赴任が決まったら早めに制度を確認しておきましょう。
- 支度金や支援金の金額
- 支払われるタイミング
- 会社負担になる費用の範囲
- 立て替えた費用の精算方法
これが分かれば、自分でいくら用意すればいいかの見通しが立ちます。
給与が入るまでのお金の備え


初期費用と同じくらい大切なのが、最初の給与が入るまでの生活費です。
現地の口座を作って給与が振り込まれるまでには時間がかかり、その間の食費や日用品は自分で何とかしなければなりません。
ここでは、私がミュンヘンと上海でどうやってその期間をしのいだのか、そしていくら用意しておけば安心なのかをお伝えします。


最初の給与まで1〜2ヶ月
最初の給与が入るまでには、ミュンヘンで約1ヶ月、上海では約2ヶ月かかりました。
上海では、銀行口座を作るまでに2〜3週間かかり、そこからさらに約1ヶ月たってようやく給与が振り込まれました。
国や会社によっては、これより長くかかることもあると考えておきましょう。
先輩に借りてしのいだ2回の赴任
給与が入るまでの間は、ミュンヘンでも上海でも先輩の駐在員にお金を借りてしのぎました。
2006年のミュンヘンでは電子マネーもなかったので借りたお金は現金で返し、上海では先輩にAlipayやWeChat Payへ送金してもらって、最初の給与は生活の立ち上げに使ったため、2回目の給与が入ったときにWeChat Payで返しました。
着任直後の中国での支払いの準備は、こちらの記事で詳しく解説しています。


手元に5〜10万円の現金
これから赴任する人には、手元に5〜10万円ほどの現金を用意しておくことをおすすめします。
ミュンヘンでは、最初の1週間を現金とクレジットカードでしのぎました。
いざというときはクレジットカードのキャッシングも使えるので、カードもあわせて準備しておくと安心です。


初めての駐在員は現金を多めに
赴任先の会社に日本人の駐在員がまだいない場合は、現金を多めに持っていきましょう。
私は2回とも先輩がいたので、お金を借りることができ、大きな心配はありませんでした。
頼れる人がいない場合は、給与が入るまでの1〜2ヶ月分の生活費を自分でまかなえるように準備しておくと安心です。
初期費用のよくある質問


最後に、海外赴任の初期費用についてよく聞かれる質問にお答えします。
私の2回の赴任の経験をもとにしていますが、会社負担の範囲や支援金の金額は会社によって大きく違います。
気になる質問だけ拾い読みして、自分の会社の制度を確認するときの参考にしてください。
会社負担かどうかの確認方法
会社負担かどうかは、赴任の規程や人事の担当者に確認するのが確実です。
航空券や家賃のように金額の大きい費用ほど、会社負担になっていることが多いのが一般的です。
迷ったときは、自分で払う前に必ず確認して、精算の対象になるかを聞いておきましょう。
家族帯同と単身での費用の違い
私の場合、支援金は家族帯同のほうが多かったものの、持ち出しはどちらも約20万円でした。
家族帯同では子どもの物や家族の服が加わり、単身では布団などの生活用品を一人でそろえる必要があります。
家族帯同か単身かの判断に迷っている方は、こちらの記事も参考にしてください。


日用品を日本から送るべきかの判断
日用品は、最初は少なめに持っていき、足りなければ現地で買うのがおすすめです。
私はおむつを日本からたくさん送りましたが、現地の物で十分でした。
どうしても合う物が必要な薬や、現地で手に入りにくい食品などに絞って持っていくと、無駄な出費を防げます。


クレジットカードの限度額の準備
赴任直後は買い物が続くので、クレジットカードの利用限度額を出発前に確認しておきましょう。
必要なら、日本にいる間に増額の申請をしておくと安心です。
海外赴任におすすめのカードの選び方は、こちらの記事で紹介しています。


立て替えた費用の精算
自分で立て替えた費用は、領収書を必ず取っておくことが大切です。
精算の方法やタイミングは会社によって違うので、どの費用が精算の対象になるかを事前に確認しておきましょう。
精算されるまでは自分のお金が出ていったままになるので、その分も手元の資金として見込んでおく必要があります。
初期費用を抑えるコツ
初期費用を抑えるには、最初から全部をそろえようとしないことです。
現地で手に入る物は現地で買い、家具や家電が付いた物件を選べば、出費はかなり減らせます。
日本で買うのは、仕事着やスーツケースなど、赴任してすぐに必要な物に絞りましょう。
まとめ|初期費用は約20万円
海外赴任の初期費用は、会社負担でも約20万円の持ち出しがあると考えておきましょう。
私はミュンヘンでも上海でも、支援金を使ったうえで、それぞれ約20万円を自分で負担しました。
- 大きな費用は会社負担かどうかの確認
- 仕事着やスーツケースなどの自己負担
- 支度金と支援金の金額と支払いのタイミング
- 給与が入るまでの1〜2ヶ月分の備え
- 手元に5〜10万円の現金
最初の給与が入るまでの1〜2ヶ月をどうしのぐかまで考えておけば、赴任直後にお金で慌てることはありません。
赴任が決まったら、まずは会社の制度を確認して、自分で用意するお金の見通しを立てておきましょう。
赴任準備の全体の流れは、こちらのチェックリストで時期ごとに確認できます。











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