「日本の口座に貯めた貯金、現地にどうやって送ればいい?」 「銀行送金って手数料がバカ高いって聞いたけど、本当?」
海外赴任が決まると、お金の送り方で必ず一度は迷います。
私は中国に4年、ドイツに3年の駐在経験があります。両国で実際にWise・銀行送金・現地口座への振込など、さまざまな送金方法を試してきました。
結論から言うと、海外赴任者にとってWiseは「使わない理由がない」レベルのサービスです。ただし、万能ではなく、使えない場面・銀行が向いている場面もあります。
この記事では、数字と実体験の両面から送金方法を比較します。
【結論】海外赴任の送金、どれを使うべきか
まず結論を先に出します。
| 送金方法 | 手数料 | 速度 | おすすめ場面 |
|---|---|---|---|
| Wise | 最安(約0.5〜1%) | 数時間〜1営業日 | 日常の生活費送金 |
| 銀行(メガバンク) | 高い(約3〜5%相当) | 2〜5営業日 | 大口・初回送金 |
| 楽天銀行 | やや安い | 1〜3営業日 | 銀行の中では比較的安い |
| PayPal | 高い | 即時 | 緊急時のみ |
基本戦略:日常の送金はWise一択。初回の大口送金や会社からの給与振込は銀行。
以下で、なぜこの結論になるかを詳しく解説します。
海外送金で本当にかかるコストの話
多くの人が見落としているのが、「送金手数料」以外のコストです。
海外送金には実際に4種類のコストがかかります。
① 送金手数料(表に出るコスト)
銀行窓口で「海外送金の手数料は3,000円です」と言われる、わかりやすいコストです。
② 為替マージン(隠れたコスト・最重要)
ここが見落としやすいポイントです。
銀行が提示する為替レートは、実際の市場レート(ミッドマーケットレート)より1〜2円程度上乗せされています。
これが「為替マージン」です。
100万円を送金した場合、為替マージンが1%ならそれだけで1万円のコストが乗ります。
送金手数料が無料でも、このマージンがあれば実質的に割高です。
③ 中継銀行手数料(SWIFT経由の場合)
銀行送金はSWIFTという国際ネットワークを経由します。
このとき途中で「中継銀行」が手数料を取ることがあり、受け取り側で2,500円前後が差し引かれることがあります。
送る前にはわからないのが困りものです。
④ 受取手数料
受取銀行が徴収する手数料。銀行によって異なりますが、1,500〜2,500円程度が相場です。
実際に10万円・50万円を送金した場合の総コスト比較
| サービス | 10万円送金の総コスト | 50万円送金の総コスト |
|---|---|---|
| Wise | 約600〜800円 | 約2,500〜4,000円 |
| 楽天銀行 | 約2,500〜3,000円 | 約5,000〜7,000円 |
| メガバンク | 約6,500〜8,500円 | 約8,000〜12,000円 |
| PayPal | 約4,000〜5,000円 | 約20,000〜25,000円 |
※為替レートや各社の料金改定により変動します。
最新の金額は各サービスの公式シミュレーターでご確認ください。
月に30万円を送金すると仮定した場合、Wiseとメガバンクの年間コスト差は約20万円以上になることもあります。
7年間で計算すると、その差は莫大です。
Wise(ワイズ)を海外赴任で7年使ってわかったこと
Wiseが安い本当の理由
Wiseが安い理由は、送金の仕組みが銀行と根本的に異なるからです。
銀行はSWIFTという国際ネットワークを経由して海外にお金を「動かします」。一方Wiseは、送金先の国に自社の口座を持っており、「動かす」のではなく「現地で払い出す」という仕組みを取っています。
これにより中継銀行が不要になり、手数料が大幅に下がります。また為替レートも、銀行が上乗せするマージンなしのミッドマーケットレート(市場の実勢レート)そのままを適用します。
中国駐在での使用感(4年分の実体験)
中国赴任中、Wiseを主に「日本の貯金口座から人民元への送金」に使っていました。
正直、最初は「怪しいサービスじゃないか」と半信半疑でした。
ところが実際に使ってみると、送金から着金まで最短数時間、遅くとも翌営業日には完了し、メガバンクを使っていた同僚と比べてコストが明らかに安い。
WiseはAlipay・WeChat・UnionPay・銀行振込の4つの方法でCNY(人民元)送金に対応しています。
中国赴任者にとって特に便利なのは、AlipayやWeChatへの直接送金です。
現地の日常生活で使う決済手段に直接チャージできるため、現金化の手間が省けます。
ただし、受取手段によって1回あたりの送金上限が異なります。
| 受取手段 | 1回あたりの上限 | 年間上限(受取人) |
|---|---|---|
| UnionPay | 33,000 CNY(約70万円) | — |
| Alipay | 50,000 CNY(約105万円) | 300,000〜600,000 CNY |
| 50,000 CNY(約105万円) | 500,000 CNY | |
| 銀行振込(法人→法人) | 上限なし | — |
大きな金額を送る場合は複数回に分けて送金するか、AlipayやWeChatを使うと1回あたりの上限が高くなります。
また初回送金時は本人確認書類の提出が必要で、1〜2営業日かかる点も覚えておきましょう。
ドイツ駐在での使用感(3年分の実体験)
ドイツ駐在では、Wiseが圧倒的に使いやすい環境でした。
ユーロへの送金はWiseが完全対応しており、日本の口座からドイツの現地銀行口座へ直接送金できます。
毎月の生活費の補填に使っていましたが、送金のたびに「銀行だとこの半額以下で済んでいる」と実感しました。
特に便利だったのが、アプリで送金状況をリアルタイムに追跡できる点です。
銀行送金だと「いつ着金するかわからない」という不安がありますが、Wiseはどのステップにあるかがアプリで一目でわかります。
Wiseのデメリット・向いていない場面
良いことばかり書いても信頼されないので、正直に欠点も書きます。
①中国への送金は受取手段により1回あたりの上限が異なる Alipay・WeChat・UnionPay・銀行振込でCNY送金は可能ですが、受取手段により1回あたりの上限が異なります。
UnionPayは33,000 CNY、AlipayとWeChatは50,000 CNYが上限です。
大口送金の場合は複数回に分けるか、上限が高いAlipayやWeChatを使うのが現実的です。
また初回は本人確認書類(中国の納税記録など)の提出が求められる場合があります。
②1回の送金上限がある(円建て) 日本居住者の場合、Wiseアカウントの保有限度額は100万円です。
大口送金には不向きな場合があります。
③ 初回は本人確認に時間がかかる アカウント開設時の本人確認(パスポートや住所確認書類の提出)が必要です。
赴任直前ではなく、出国1〜2ヶ月前には登録を済ませておくことを強くおすすめします。
④銀行口座がないと使えない Wiseへの入金は基本的に銀行口座からの振込です。
日本の銀行口座は赴任前に整備しておきましょう。
銀行送金が向いている場面
Wiseをおすすめしている私ですが、銀行送金が向いている場面もあります。
会社からの給与・手当の受け取り
会社が給与を直接現地口座に振り込む場合は、Wiseの出番はありません。これは会社の経理が決めることです。
500万円以上の大口送金
Wiseには上限があるため、不動産購入や大きな支出が発生した場合は銀行送金一択になります。
銀行の高い手数料も、大口であれば相対的なコスト負担は小さくなります。
初回送金で不安な方
「フィンテックサービスに初めてお金を預けるのが怖い」という方は、まず少額で銀行送金を経験してから、Wiseに移行するのも一つの手です。
海外赴任の送金シーン別おすすめ
毎月の生活費補填(5〜30万円)
→ Wise一択。コストと利便性の両面で圧倒的です。
赴任初期の家具・家電購入資金(50〜100万円)
→ Wise(分割送金)または楽天銀行。Wiseの上限内で複数回に分けるか、楽天銀行を使うと銀行の中では比較的安く済みます。
日本の家族への仕送り(逆方向の送金)
→ Wise。現地から日本への送金も、Wiseは安くスムーズです。
会社経費の立替(出張費など)
→ 会社規定に従う。個人的なWise利用は避け、法人カードや会社指定の方法を使いましょう。
Wiseの始め方(海外赴任者向け手順)
赴任前に済ませておくべき手順を簡潔にまとめます。
STEP 1:アカウント開設(5分) Wiseの公式サイトまたはアプリからメールアドレスで登録。
STEP 2:本人確認(1〜3日) パスポートまたは運転免許証の写真を提出。承認まで通常1〜3営業日かかります。
ここが一番時間がかかるので、出国の1ヶ月以上前に済ませておくことが鉄則です。
STEP 3:送金先の口座を登録 現地の銀行口座情報(IBAN番号など)を登録します。
ドイツならIBAN、中国ならAlipay・WeChat・UnionPay・現地銀行口座のいずれかを設定。
STEP 4:日本の銀行から入金して送金 日本の銀行口座からWiseに入金し、送金先・金額を指定するだけで完了です。
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【国別】中国赴任・ドイツ赴任での送金戦略まとめ
中国赴任の場合
WiseはAlipay・WeChat・UnionPay・銀行振込でCNY送金に対応しており、中国赴任でも活用できます。
ただし1回あたりの上限(33,000 CNY)や初回の本人確認など、中国の規制に基づく条件があるため事前に把握しておくことが重要です。
推奨戦略:
- 日常の少額送金(生活費補填など)はWise経由でAlipayまたはWeChatへ直接送金
- 受取手段ごとの1回あたり上限:UnionPay 33,000 CNY、Alipay・WeChat 50,000 CNY。
大口は複数回に分けるか銀行送金を併用 - 初回送金前に本人確認を済ませておく(1〜2営業日かかる)
- VPNがないとWiseアプリの操作に支障が出る場合があるため、VPNは必ず準備する
中国特有の注意点:
- 日常の支払いはAlipay・WeChat Payが主流のため、送金先としてこれらを設定しておくと便利
- 送金目的によって利用可能な上限額や頻度に制限がかかる場合あり
- 最新の条件はWise公式サイトで必ず確認してください
ドイツ赴任の場合
ドイツはWiseが最も使いやすい環境です。
推奨戦略:
- 毎月の生活費補填はWiseで日本口座→ドイツ口座へ直接送金
- 現地銀行口座はドイツ到着後すぐに開設(Deutsche Bank、Commerzbank等)
- 大口送金(100万円超)のみ銀行送金を使用
- Wiseアカウントは出国前に開設・本人確認まで完了させておく
よくある質問(FAQ)
Q:Wiseは安全ですか?
A:安全です。Wiseはイギリスに本社を置き、世界各国の金融当局の規制下で運営されています。
日本では資金移動業者として登録されており、利用者の資金は分別管理されています。
2025年時点で世界1,600万人以上が利用しています。
Q:中国赴任でもWiseは使えますか?
A:使えます。
WiseはAlipay・WeChat・UnionPay・銀行振込の4つの方法でCNY(人民元)送金に対応しています。
1回あたりの送金上限は受取手段によって異なり、UnionPayは33,000 CNY、AlipayとWeChatは50,000 CNYです。
また初回送金時は本人確認書類の提出が必要です。
大口送金の場合は複数回に分けるか、上限が高いAlipayやWeChatを活用するのが現実的です。
Q:Wiseの登録は日本にいる間にしかできませんか?
A:海外からも登録できます。た
だし本人確認に必要な書類(住所確認書類など)の準備が海外では難しくなる場合があります。
日本にいるうちに完了させておくのが賢明です。
Q:銀行送金とWise、どちらが速いですか?
A:Wiseの方が速いケースがほとんどです。
銀行のSWIFT送金は2〜5営業日かかりますが、Wiseは多くの場合、数時間〜翌営業日に着金します。
Q:Wiseで大きな金額を送金しても大丈夫ですか?
A:日本居住者の場合、Wiseの保有限度額は100万円です。
100万円を超える大口送金には向いていません。
大口送金は銀行を使い、日常の中小額送金にWiseを使うという使い分けが現実的です。
まとめ|海外赴任の送金はWiseと銀行の使い分けが正解
7年の駐在経験から出た結論はシンプルです。
「日常の送金はWise、大口や特殊な場面は銀行」
毎月の生活費補填にWiseを使うだけで、年間数万円〜十数万円のコストが節約できます。
長期赴任であればあるほど、この差は大きくなります。
ただし、Wiseも万能ではありません。
中国赴任の場合は受取手段ごとの1回あたり上限(UnionPay:33,000 CNY、Alipay・WeChat:50,000 CNY)や初回の本人確認など、中国の規制に基づく条件があります。
事前に公式サイトで最新情報を確認した上で使うことをおすすめします。
まず出国前にWiseのアカウント開設と本人確認だけ済ませておいてください。
アカウントを作るだけなら無料で、使わなくてもコストは一切かかりません。
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この記事の情報は2026年4月時点のものです。手数料・為替レート・サービス内容は変更される場合があります。最新情報は各サービスの公式サイトでご確認ください。

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