海外赴任が決まって、「出発までにどんな手続きが必要なのか」「会社がどこまでやってくれるのか」と不安になっていませんか。
住民票、年金、ビザ、運転免許と、海外赴任の手続きは種類が多く、どこに何を届ければいいのかが分かりにくいものです。
- 必要な手続きの全体像
- 会社がする手続きと自分でする手続き
- 住民票や年金の扱い
- 運転免許や予防接種の準備
海外赴任の手続きは、会社が全部やってくれるのですか。



会社が手伝ってくれる手続きも多いですが、書類へのサインや役所での手続きなど、自分で動く場面もたくさんありました。
私はドイツのミュンヘンに3年は家族帯同で、中国の上海に4年は単身で駐在し、2回とも出発前の手続きを経験しています。
この記事では、海外赴任の手続きを種類別に整理し、私の実例と公式の情報をもとに紹介します。
海外赴任の手続きは種類別に


海外赴任の手続きは、役所、年金と健康保険、ビザと健康診断、お金とスマホ、運転免許の種類ごとに整理するのがおすすめです。
私の場合、内示から渡航までは4〜6ヶ月で、その間にこれらの手続きを一つずつ済ませていきました。
ここでは、会社がする手続きと自分でする手続きの違いと、時期ごとの流れの調べ方を紹介するので、まずは全体をつかんでください。


会社がする手続きと自分でする手続き
手続きには、会社が進めてくれるものと、自分でするものがあります。
私の場合、ビザや引越し、健康診断、予防接種、税金の手続きは会社が手伝ってくれました。
それでも、書類へのサインや役所での手続き、住民票や証券会社への届け出などは、自分で動く必要がありました。
内示から渡航まで4〜6ヶ月
ミュンヘンも上海も、内示から渡航までは4〜6ヶ月でした。
手続きの中には、時間がかかるものや、出発の直前でないとできないものもあります。
内示が出たら、まずは自分に必要な手続きを書き出して、早めに取りかかりましょう。
時期ごとの流れは別の記事で
この記事では、手続きの種類ごとの中身を中心に紹介します。
いつ、どの順番で進めればいいかは、時期別のチェックリストの記事でまとめています。
2つの記事をあわせて使うのが、手続きの抜け漏れを防ぐコツです。


役所の手続き


役所の手続きで大事なのは、住民票をどうするかです。
住民票を抜くかどうかで、住民税やマイナンバーカード、子どもの手当など、ほかの手続きにも影響があります。
ここでは、私が住民票をどうしたかと、住民税、マイナンバーカード、子どもの手続きについて、公式の情報もあわせて紹介します。
住民票はドイツは家族全員で上海は私だけ
住民票は、ドイツのときは家族全員、上海のときは私だけ抜きました。
ドイツには家族で赴任したので全員分の海外転出届を出し、上海は単身赴任で家族が日本に残ったので、私の分だけを抜いています。
海外転出届は、おおむね1年以上海外に住む場合に、住んでいる市区町村に出す届けです。
住民税は1月1日の住所で決まる
住民税は、その年の1月1日に住所があるかどうかで決まります。
1月1日に日本に住所があれば、その年度の住民税がかかるので、出国の時期によっては赴任中も住民税を払うことになります。
くわしい扱いは市区町村によって違うので、出国前に役所で確認しておきましょう。
マイナンバーカードは国外転出後も使える
2024年5月27日から、海外に転出したあとも、マイナンバーカードを使い続けられるようになりました。
転出届を出すときに手続きをすれば、カードを返さずに持っておけます。
私は上海に赴任するときにカードを作っていませんでしたが、今は海外転出のときの扱いが変わっているので、デジタル庁や役所の案内を確認してください。
子どもの保育園の退園と児童手当
家族で赴任するときは、子どもの手続きも必要です。
私はドイツに赴任する前に、子どもの保育園の退園の手続きをしました。
児童手当は、こども家庭庁によると原則として子どもが日本国内に住んでいる場合に支給されるので、子どもを連れて行く人は市区町村に手続きを確認してください。


年金と健康保険の手続き


会社員として赴任する場合、年金と健康保険は会社の制度のままになることが多いです。
私も赴任中は、会社の厚生年金と健康保険に入ったままでした。
ただし、同行する配偶者の年金や、一時帰国のときの健康保険の使い方など、確認しておきたいことがあるので紹介します。
厚生年金は会社のまま
私の赴任中の年金は、会社の厚生年金のままでした。
会社に籍を置いたまま海外に赴任する場合は、日本の厚生年金を続けることが多いです。
年金の扱いは会社や赴任先の国によって違うこともあるので、人事に確認しておきましょう。


同行する配偶者の年金
会社員に扶養されている配偶者の年金には、2020年4月から日本に住んでいることという条件が加わりました。
ただし、日本年金機構によると、海外に赴任する会社員に同行する配偶者は例外で、届け出をすれば引き続き扶養の扱いを受けられます。
届け出は会社を通して出すので、配偶者を連れて行く人は、会社の担当者に手続きを確認してください。
健康保険は会社のまま
健康保険も、会社の健康保険に入ったままでした。
一時帰国のときは、日本の病院で健康保険を使って受診しています。
今は従来の健康保険証が使えなくなり、マイナ保険証か資格確認書が必要なので、赴任前に会社の健康保険組合に確認しておきましょう。


ビザと健康診断の手続き


ビザと健康診断は、会社が手配してくれることが多い手続きです。
私の場合も会社が手伝ってくれましたが、ビザの書類にサインしたり、役所に行ったりと、自分で動く場面もありました。
健康診断や予防接種も含めて、赴任前に受けた手続きを紹介します。
ビザは会社の手伝いで自分も署名
ビザの手続きは、会社が手伝ってくれましたが、自分で書類にサインしたり、役所に行ったりしました。
必要な書類や手続きの流れは、赴任先の国によって大きく違います。
会社の担当者から案内があったら、早めに書類をそろえて、期限に遅れないようにしましょう。
6ヶ月以上の赴任前の健康診断
6ヶ月以上海外に赴任する前には、会社が健康診断を行うことが法律で決まっています。
労働安全衛生規則で、6ヶ月以上海外に派遣する前と、帰国したあとの健康診断が定められています。
私も赴任前の健康診断は、会社の手配で受けました。
A型肝炎と破傷風と狂犬病の予防接種
赴任前には、予防接種も受けました。
上海のときはA型肝炎、破傷風、狂犬病の3つ、ドイツのときは狂犬病を除いた2つです。
必要な予防接種は赴任先によって違い、何回か打つ必要があるものもあるので、早めに会社や医療機関に相談しておきましょう。私が受けた予防接種と健康診断のくわしい内容は、こちらの記事で紹介しています。


お金とスマホの手続き


お金とスマホの手続きは、自分でしなければならないものが中心です。
証券会社への届け出や、銀行口座が海外で使えるかの確認、日本の電話番号の残し方などは、会社が代わりにやってくれるものではありません。
私が出発前にしたことと、確認しておきたいポイントを紹介します。
証券会社への届け出
証券会社には、海外に住むことを届け出る手続きをしました。
私は、この届け出が必要なことに出発の直前で気づきました。
証券会社によって、海外に住む間も口座を残せるかどうかが違うので、早めに確認しておきましょう。


銀行は非居住者で使えるかを確認
日本の銀行口座は、海外に住む「非居住者」になっても使えるかを確認しておきましょう。
銀行によっては、非居住者になるとネットバンキングやキャッシュカードの一部が使えなくなることがあります。
みずほ銀行の例は、こちらの記事で紹介しています。


日本の電話番号を残す
スマホは、日本の電話番号を残しておくのがおすすめです。
私は上海に赴任するとき、楽天モバイルで日本の番号を残し、銀行のSMS認証や一時帰国のときにも困りませんでした。
ドイツのときはauの携帯を休止にしましたが、休止中はSMSが届かないので、今は番号を残すことをおすすめしています。


運転免許の手続き


運転免許の手続きは、赴任先で運転するかどうかで変わります。
私はドイツでは現地の免許に切り替え、上海では会社の決まりで運転しなかったので、切り替えていません。
国際運転免許証の取り方と、2つの国での違いを紹介します。
国際運転免許証を取得
赴任前には、国際運転免許証を取って持って行きました。
国際運転免許証は、日本の運転免許証を持っている人が申請でき、有効期間は1年です。
使える国や期間は国によって違うので、赴任先で使えるかを事前に確認してください。
ドイツは現地の免許に切り替え
ドイツでは、日本の免許をドイツの免許に切り替えました。
在ドイツ日本国大使館の案内では、入国してから6ヶ月の間は日本の免許証とドイツ語の翻訳などで運転でき、切り替えは住んでいる地域の役所で行います。
ドイツでは会社から車が支給されていたので、切り替えた現地の免許で運転していました。切り替えの体験やドイツでの運転のことは、こちらの記事でくわしく紹介しています。


上海は会社の決まりで運転しない
上海では、会社の決まりで運転できなかったので、現地の免許には切り替えていません。
移動は、会社の車での送迎が中心でした。
赴任先で運転してよいかは会社によって違うので、免許の手続きを始める前に確認しておきましょう。
海外赴任の手続きのよくある質問


最後に、海外赴任の手続きでよくある疑問をまとめました。
住民票を抜かないとどうなるか、手続きは誰がしてくれるか、家族が日本に残るときの手続き、日本の免許の更新、帰任したときの手続きなど、迷いやすいことを取り上げています。
気になる質問から読んでみてください。
住民票を抜かないとどうなるか
住民票を残したまま海外に住むと、住民税などがかかり続けることがあります。
海外転出届は、おおむね1年以上海外に住む場合に出すのが基本です。
赴任の期間や会社の方針によって扱いが変わることもあるので、市区町村や会社の担当者に確認してください。
手続きは誰がしてくれるか
私の場合、ビザや引越し、健康診断、税金の手続きは会社が手伝ってくれました。
一方で、住民票や証券会社、電話番号などの手続きは、自分でしています。
会社がどこまでやってくれるかを最初に確認しておくと、自分でやることが整理しやすくなります。
家族が日本に残るときの手続き
単身赴任で家族が日本に残るなら、住民票を抜くのは赴任する本人だけです。
私も上海のときは、自分の住民票だけを抜き、家族の住民票はそのままにしていました。
家族帯同か単身赴任かで迷っている人は、こちらの記事も参考にしてください。


日本の運転免許の更新はどうするか
赴任中に日本の運転免許の更新の時期が来る場合は、早めに確認しておきましょう。
海外に住むなどの理由があれば、更新期間の前でも、一時帰国のときに更新できる場合があります。
私はたまたま更新の時期が赴任期間から外れていましたが、くわしくは一時帰国の記事で紹介しています。
帰任したときの手続き
帰任したときは、住民票を戻す転入届などの手続きが必要です。
私の場合、現地の家の解約や引越しの手配は会社がしてくれました。
帰任の準備については、こちらの記事でくわしく紹介しています。


まとめ|手続きは種類ごとに確認
海外赴任の手続きは、種類ごとに整理し、会社がすることと自分ですることを分けて進めるのが大切です。
住民票や証券会社、電話番号などは自分でしかできないので、内示が出たら早めに取りかかりましょう。


- 住民票は赴任する人の分を海外転出届で
- 住民税は1月1日の住所で決まる
- 配偶者の年金は会社を通して届け出
- 予防接種は赴任先に合わせて早めに
- 証券会社と銀行は非居住者の扱いを確認
- 運転免許は赴任先で運転するかで判断
まずは会社がしてくれる手続きを確認して、自分でする手続きのリストを作ってみてください。
赴任が決まってからの時期ごとの流れは、こちらの記事でまとめています。



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