海外赴任が決まって、「年収はどれくらい増えるのだろう」「手当にはどんなものがあるのか」と気になっていませんか。
給与の話は会社の人に聞きにくく、ネットで調べても実際の金額はなかなか出てこないので、赴任後の生活のイメージがわきにくいものです。
- 海外赴任で増える年収の目安
- 日本の給与と現地の給与の仕組み
- 会社が負担してくれる手当
- 赴任中に残るお金
海外赴任をすると、年収は本当に増えるのですか。



私の場合は、上海でもドイツでも、日本勤務のときより年収が300万円以上増えました。ただ、条件は会社や時期によって大きく違います。
私はドイツのミュンヘンに3年、中国の上海に4年駐在し、家族帯同と単身赴任の両方を経験しました。
この記事では、2回の赴任の年収と手当、月の生活費、最終的に残ったお金を、当時の実際の金額で紹介します。
年収は年300万円以上増


私の場合、海外赴任中の年収は、日本勤務のときより年300万円以上増えました。
上海では約1,300万円、ドイツでは約900万円で、日本勤務のときと比べると、上海は約300万円、ドイツは約350万円の増加です。
金額はどれも税金などを引く前の額面の年収で、「約」の数字です。当時の私の会社と役職での条件なので、会社や役職、時期によって大きく違うことを前提に読んでください。
上海は年収約1300万円
上海には40代の課長職として単身赴任し、年収は約1,300万円でした。
| 上海の単身赴任 | 日本の給与 | 中国の給与 | 合計 |
|---|---|---|---|
| 日本勤務のとき | 約1,000万円 | ー | 約1,000万円 |
| 上海勤務のとき | 約800万円 | 約500万円 | 約1,300万円 |
※当時の私の会社と役職での金額です。会社や役職、時期によって大きく違います。
ドイツは年収約900万円
ドイツには20代の担当者として家族帯同で赴任し、年収は約900万円でした。
| ドイツの家族帯同 | 日本の給与 | ドイツの給与 | 合計 |
|---|---|---|---|
| 日本勤務のとき | 約550万円 | ー | 約550万円 |
| ドイツ勤務のとき | 約300万円 | 約600万円 | 約900万円 |
※当時の私の会社と役職での金額です。会社や役職、時期によって大きく違います。
日本勤務のときとの比較
日本勤務のときと比べると、上海は約1.3倍、ドイツは約1.6倍になりました。
若手で赴任したドイツの方が、増えた割合は大きかったです。
赴任先の国や物価、役職によって増え方は変わるので、自分の会社の規程で確認しておきましょう。
海外赴任の給与の仕組み


海外赴任中の給与は、日本で受け取る給与と、現地で受け取る給与の2本立てでした。
現地の給与は基本給に海外赴任手当が加わり、さらに物価に合わせて毎年見直される仕組みです。
税金の手続きは会社がしてくれたので、自分で申告することはありませんでしたが、ここでは給与の仕組みを順番に紹介するので、自分の会社の制度と比べてみてください。


日本の給与と現地の給与
海外赴任中は、日本の給与と現地の給与の両方が支払われました。
上海のときは、日本の給与を日本に残った家族の生活費にあて、現地の給与で自分の生活費をまかなっていました。
日本と現地のどちらでいくら受け取るかは会社によって違うので、赴任前に確認しておくと安心です。
基本給と海外赴任手当
現地の給与は、基本給に海外赴任手当を加えた金額でした。
上海は基本給が約400万円、海外赴任手当が約100万円で、ドイツは基本給が約400万円、海外赴任手当が約200万円です。
同じ会社でも、赴任先や家族の人数によって手当の額は変わります。
現地給は物価に合わせて毎年見直し
現地の給与は、現地の物価に合わせて毎年見直されていました。
物価が上がれば、それに合わせて給与も調整される仕組みです。
物価の変化が給与に反映されるのが、この仕組みのよいところです。
税金の手続きは会社
赴任中の税金の手続きは、会社がしてくれました。
現地の税金も日本の税金も、自分で申告する必要はありませんでした。
手取りは税金の扱いで変わり、その扱いは会社の制度によって違うので、気になる人は人事に確認してみてください。
海外赴任の手当と会社負担


海外赴任では、給与のほかに会社が負担してくれる費用がたくさんありました。
家賃や車、医療費、子どもの教育費、一時帰国の交通費まで会社が出してくれたので、実際の生活費は思ったより少なく済みます。
年収の金額だけでなく、こうした会社負担も含めて考えると、海外赴任のお金の全体像がつかみやすくなるので、私が受けた手当を5つ紹介します。


家賃は会社負担
住まいの家賃は、上海もドイツも会社負担でした。
家賃は生活費の中でも大きな割合を占めるので、これが会社負担になるだけで、自由に使えるお金は大きく変わります。
住まい選びのくわしい話は、こちらの記事で紹介しています。


車と送迎も会社
移動の手段も、会社が用意してくれました。
ドイツでは車が会社から支給され、上海では社有車で送迎してもらっていました。
赴任先で車を自分で買わずに済むのも、大きな助けです。
医療費は全額補助
赴任中の医療費は、全額が会社の補助でした。
海外の病院は治療費が高くなることもあるので、医療費の心配がないのは安心です。
赴任前には、会社の補助の範囲と、病院にかかるときの手続きを確認しておきましょう。
子どもの教育費の補助
家族帯同のドイツでは、子どもの教育費の補助がありました。
幼稚園の費用は会社が9割を負担し、小中学校は全額が会社負担という決まりです。
子どもを連れて赴任する人は、教育費の補助の内容を早めに確認しておくと安心です。
一時帰国の交通費
年に1回の一時帰国の交通費も、家族の分を含めて会社が出してくれました。
一時帰国の費用まで会社が負担してくれると、年に1度の帰国も気軽に計画できます。
一時帰国でやることは、こちらの記事で紹介しています。


海外赴任の月の生活費


家賃などを会社が負担してくれたうえで、自分で払った月の生活費は、上海で約20万円、ドイツで約25〜30万円でした。
上海は単身、ドイツは家族3人での生活だったので、単純には比べられませんが、ヨーロッパは物価が高いと感じる場面が多かったです。
ここでは、2つの国の生活費と、物の値段の感覚の違いを紹介するので、赴任先での生活費の目安にしてください。
上海は月20万円くらい
上海での月の生活費は、約20万円でした。
家賃は会社負担で、単身赴任だったので、生活費は自分一人の分です。
ゴルフや飲み会が多いと、この金額は大きく変わります。
ドイツは月25〜30万円くらい
ドイツでの月の生活費は、約25〜30万円でした。
家族3人の食費や日用品に加えて、休みの日の家族旅行にもお金を使っていました。
子どもの年齢や家族の人数で、生活費は大きく変わります。
物価の感覚の違い
物価の感覚は、上海とドイツでまったく違いました。
- 上海:生活必需品は日本より安い、ぜいたく品は日本と同じかそれ以上
- 上海:外食は安いが、日本食は日本の1.5〜2倍
- 上海:ゴルフや飲み代は高め
- ドイツ:食費は日本の1.5倍
- ドイツ:外食は高め
上海でゴルフや飲み会にはまると、お金が足りなくなる人もいるので気をつけましょう。
海外赴任で残るお金


海外赴任の間に最終的に残ったお金は、上海の単身赴任もドイツの家族帯同も、赴任期間の合計で同じくらいでした。
上海は支出が少なく、ドイツは支出が多めでしたが、海外赴任手当は上海が約100万円、ドイツが約200万円という違いもありました。
ここでは、それぞれの国での貯金と、増えたお金の使い道を紹介します。
上海は年100〜200万円以上の貯金
上海の単身赴任では、年に100〜200万円以上を貯金できました。
家賃や送迎は会社が負担し、生活費も月20万円ほどに収まったので、お金が残りやすかったのです。
単身赴任は、海外赴任の中でもお金が残りやすい形だと感じています。
家族帯同のドイツも合計は同じくらい
家族帯同のドイツは支出も多かったのですが、赴任期間の合計で残ったお金は、上海と同じくらいでした。
ドイツは物価が高く、家族旅行にもよく出かけたので、毎月の出費は上海より多めです。
それでも、赴任期間の合計で見ると、上海と同じくらいのお金が残っています。
増えたお金の使い道
増えたお金は、貯金だけでなく、経験にも使いました。
ドイツでは、EU内を気軽に移動できたので、家族でいろいろな国へ旅行に出かけています。
上海では、趣味の自転車にお金を使い、旅行にも行きました。
年収が増えても気をつけること


年収が増えても、お金の面で油断しないことが大切です。
赴任の最初には立て替えが必要な費用がありますし、現地での趣味や付き合いの出費がかさむこともあります。
年収が増えるからと安心せずに、赴任前に確認しておきたい3つの点を紹介します。
初期費用は約20万円の持ち出し
赴任の準備では、会社が費用を負担してくれても、約20万円の持ち出しがありました。
給与が入るまでの生活費や、会社の負担にならない細かな費用は、自分で払う必要があります。
赴任の初期費用は、こちらの記事でくわしく紹介しています。


趣味や付き合いの出費
赴任先では、趣味や付き合いの出費に気をつけましょう。
上海ではゴルフや飲み代が高く、ここにはまるとお金が足りなくなる人もいます。
年収が増えたぶんだけ使ってしまうと、思ったほどお金は残りません。
条件は会社と時期で大きく違う
この記事の金額は、当時の私の会社と役職での条件です。
同じ国に赴任しても、会社や役職、赴任する時期、家族の人数によって、年収や手当は大きく変わります。
自分の条件は、会社の海外赴任の規程や人事の説明で必ず確認してください。
海外赴任の年収のよくある質問


最後に、海外赴任の年収とお金でよくある疑問をまとめました。
お金が残りやすい人の特徴、家族帯同だと損をするのか、日本の給与の使い方、現地の給与の受け取り方、赴任前に確認したい規程など、赴任前に気になることを取り上げています。
気になる質問から読んでみてください。
お金が残りやすい人の特徴
私の経験では、単身赴任、家賃が全額会社負担、物価が安い国の3つがそろうと、お金が残りやすくなります。
上海の単身赴任は、この3つがそろっていました。
反対に、ヨーロッパへの家族帯同や教育費がかかる場合は、増えたお金の多くが生活費に回ります。
家族帯同だと損をするか
家族帯同でも、損をするとは限りません。
私の場合、家族帯同のドイツと単身赴任の上海で、最終的に残ったお金は同じくらいでした。
家族帯同か単身赴任かの選び方は、こちらの記事でくわしく紹介しています。


日本の給与は何に使うか
上海のときは、日本の給与を日本に残った家族の生活費にあてていました。
現地の給与で自分の生活をまかない、日本の給与は日本の口座に入る形です。
日本の口座は赴任中も使うので、残しておく口座を赴任前に決めておきましょう。
現地の給与はどこに振り込まれるか
現地の給与は、現地の銀行の給与口座に振り込まれる形でした。
ドイツでは給与口座を開いた銀行で、ふだんの支払いに使うカードも作っています。
赴任中や帰任のときのお金の動かし方は、こちらの記事で紹介しています。


赴任前に確認したい会社の規程
赴任前には、会社の海外赴任の規程を確認しておきましょう。
- 日本と現地の給与の割合
- 海外赴任手当の金額
- 家賃や車の会社負担の範囲
- 医療費や教育費の補助
- 一時帰国の回数と交通費
- 税金の扱い
分からないことは、赴任前に人事に確認してください。
まとめ|年収は条件次第
私の場合、海外赴任中の年収は、日本勤務のときより年300万円以上増えました。
家賃や車、医療費などの会社負担も大きく、最終的に残ったお金は、単身赴任でも家族帯同でも同じくらいでした。
- 日本の給与と現地の給与の2本立て
- 現地の給与は基本給と海外赴任手当
- 家賃・車・医療費は会社負担
- 単身赴任はお金が残りやすい
- 条件は会社と時期で大きく違う
まずは自分の会社の海外赴任の規程を読んで、給与と手当の条件を確認してみてください。
海外赴任が得か損かを、お金以外の面も含めて考えた記事もあるので、あわせて読んでみてください。











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