海外赴任が決まって、「クレジットカードは何枚持っていけばいいのだろう」と迷っていませんか。
日本では1枚で困らない人でも、海外で使えなくなったらどうしようと考えると、不安になるものです。
- 何枚持っていけばいいか分からない不安
- VISAとMastercardのどちらを選ぶかの迷い
- 中国でクレジットカードが使えるのかという疑問
- 会社の法人カードとの使い分け
- 家族の支払い方法の心配
カードは何枚持っていけば安心ですか。中国ではほとんど使わないとも聞きます。



私の答えは3枚です。上海では結局使わなかったのですが、それでも持っていく理由があります。
私はドイツのミュンヘンに3年、中国の上海に4年、合計7年駐在しました。
この記事では、2つの国で実際にどうカードを使ったのか、使わなかったのかを正直にお伝えし、赴任前にやっておきたいカードの準備まで紹介します。
必要なクレジットカードは3枚


海外赴任に持っていくクレジットカードは、VISAとMastercardを1枚ずつ、それにアメックスを加えた3枚をおすすめします。
これは、ドイツと上海の両方に赴任した私が、今から赴任する後輩に勧めている組み合わせで、赴任先がヨーロッパでも中国でも答えは変わりません。
ここでは、なぜこの3枚なのか、それぞれにどんな役割があるのか、そして上海でほとんど使わなかったのになぜ勧めるのかを説明します。
VISAとMastercardとアメックスの組み合わせ
VISAとMastercardは、世界中の多くのお店で使える2大ブランドです。
ただし、お店によっては片方しか使えないことがあるため、ブランドを分けて1枚ずつ持つのが基本になります。
そこに、空港や一時帰国で力を発揮するアメックスを加えると、支払いと移動の両方に備えられるのです。
3枚それぞれの役割
3枚には、それぞれはっきりした役割があります。


役割が重ならないように選ぶと、どんな場面でも慌てずに済みます。
使わなくても持っていく理由
正直に言うと、上海の4年間で、私は個人のクレジットカードを一度も使いませんでした。
それでも3枚を勧めるのは、何か緊急事態が起きたときの安心感のためです。
スマホの故障や決済アプリのトラブルなど、海外では思わぬことで支払い手段を失うことがあります。
- スマホ決済が使えなくなったときの予備
- 急な入院や帰国が必要になったときの支払い
- ホテルや航空券の急な手配
使わずに済めばそれが一番ですが、いざというときに持っていないと困るのがカードなのです。
ドイツ赴任でのカードの使い方


2006年から2008年のミュンヘン赴任では、妻と息子を連れて行きましたが、ドイツでの支払いは、実はクレジットカードが主役ではありませんでした。
普段の支払いの中心は、現地の銀行で作ったカードで、クレジットカードは予備、家族の支払いは現金というのが我が家の形です。
ここでは、ドイツで実際にカードと現金をどう使い分けていたのか、家族帯同ならではの注意点も含めて紹介します。
普段の支払いは現地銀行のECカード
ミュンヘンでは、給与口座をHypoVereinsbankという現地の銀行に開きました。
その口座と一緒に作ったECカード(現在のgirocard)で、普段の買い物のほとんどを払っていました。
ECカードは口座から直接お金が引き落とされる仕組みで、ドイツではスーパーやお店で広く使われています。
- スーパーでの日用品の買い物
- 普段のお店での支払い
- 口座からの直接の引き落とし
給与口座を開いたら、ECカードもあわせて作っておくと生活がぐっと楽になります。
楽天カードと現地のMastercardは予備
クレジットカードは、日本から楽天カード(VISA)を持っていきました。
さらに、給与口座を開いたHypoVereinsbankでMastercardも作り、VISAとMastercardの2枚体制にしていましたが、ECカードがメインだったので、クレジットカードはあくまで予備という位置づけです。
楽天カードは年会費が永年無料なので、使う機会が少なくても持っておきやすい1枚でした。
Mastercardしか使えないレストラン
ドイツでクレジットカードに困った経験は、ほとんどありません。
ただ、郊外のレストランで「Mastercardしか使えない」という店に出会ったことがあります。
VISAしか持っていなかったら、その場で支払いに困っていたかもしれないので、ブランドを分けて2枚持っておくと安心なのです。
家族の支払いとチップ用の現金
妻はクレジットカードを持たず、買い物は現金で支払っていました。
また、ドイツにはチップの文化があり、レストランやタクシーでは少し上乗せして払うのが一般的なので、少額の現金はいつも持っておいた方がいいです。
家族帯同の場合は、家族がどうやって支払うかも、赴任前に決めておきましょう。
上海赴任でのカードの使い方


2020年から2024年の上海赴任は、単身で行きました。
中国での支払いはドイツとはまったく違い、ほぼすべてがスマホ決済で、クレジットカードを出す場面は4年間でほとんどなかったと言っていいでしょう。
ここでは、上海で実際にどう支払っていたのか、個人のカードを使わなかった理由と、それでもカードの出番がどこにあったのかを紹介します。


日常の支払いはAlipayとWeChat Pay
上海での日常の支払いは、お店ではAlipay、友人とのやり取りではWeChat Payを使っていました。
中国では知り合いとはWeChatでつながるので、お金のやり取りも自然とWeChat Payになり、両方使えるようにしておけば困ることはありません。
中国の支払い方法の準備は、こちらの記事で詳しく解説しています。


4年間使わなかった個人のクレジットカード
上海の4年間、個人のクレジットカードは一度も使いませんでした。
スマホ決済でほとんどの支払いが済むので、カードを出す必要がなかったのです。
使わなかったのは結果であって、いざというときの備えとしては必要だったので、日本からカードを持っていったことは後悔していません。
出張のホテル代は法人カード
上海から出張に行くときは、ホテル代を会社の法人カード(Mastercard)で払っていました。
ホテルのチェックインでは、クレジットカードの提示を求められることがよくあります。
出張の多い仕事なら、法人カードがあるかどうかを会社に確認しておきましょう。
アメックスカードが役立った場面


3枚のうち、上海赴任でいちばん活躍したのはデルタ・アメックス・ゴールドでした。
買い物の支払いに使うカードではなく、一時帰国や出張の移動を快適にしてくれるカードで、単身赴任で何度も日本と行き来する私には欠かせない1枚でした。
ここでは、実際にどんな場面で助けられたのか、そして年会費に見合うのかどうかを、今の特典の条件とあわせてお伝えします。
上海赴任前に作ったデルタアメックスゴールド
デルタ・アメックス・ゴールドは、上海赴任の前に日本で作りました。
目的は、デルタ航空が加盟するスカイチームのステータスです。
上海と日本の間には、スカイチームの航空会社の便が多く飛んでいるので、一時帰国のたびに特典を使えました。
飛行機が遅れたときのラウンジ
一時帰国のときに特にありがたかったのが、飛行機が遅れたときの空港ラウンジです。
遅延で待ち時間が長くなっても、ラウンジなら落ち着いて過ごせます。
混雑した搭乗口の前で待つのとは、疲れ方がまったく違いました。
一時帰国で助かった優先チェックイン
空港では、チェックインの優先カウンターも使えました。
一時帰国は荷物が多くなりがちなので、長い列に並ばずに済むのは大きな助けです。
移動のストレスが減ると、限られた一時帰国の時間を有効に使えます。
年会費に見合うかの判断
デルタ・アメックス・ゴールドの年会費は28,600円(税込)です(2026年9月時点)。
スカイチームのゴールドメダリオン会員資格は入会から1年間付き、2年目以降は年間のカード利用金額で決まりますが、この金額には家族カードの利用分も合算されます。
私の場合は、日本にいる妻が家族カードを普段の買い物に使っていたので、その分も合わせて、上海の4年間ずっとゴールドのステータスを保てました。
- 年会費:28,600円(税込)
- ラウンジ:スカイチーム加盟航空会社のラウンジ(国際線利用時)
- 優先手続き:チェックインや搭乗など
単身赴任で家族が日本に残る場合は、家族カードで日本の生活費を払ってもらうと、ステータスを保ちやすくなります。
一時帰国や出張でスカイチームの便をよく使う人なら、ラウンジと優先手続きだけでも十分に価値を感じられるはずなので、最新の条件を公式サイトで確認してみてください。
法人カードとの使い分け


会社から法人カードが支給される場合は、個人のカードとの使い分けを最初に決めておくことが大切です。
私も上海では、出張のホテル代は法人カード、生活の支払いは個人の手段と、はっきり分けていました。
法人カードは便利ですが、使い方を間違えると後で困るので、ここでは法人カードと個人の支払い手段をどう使い分ければよいかを整理します。
出張費や経費は法人カード
出張のホテル代や交通費など、会社の経費になるものは法人カードで払います。
法人カードで払っておけば、自分で立て替える必要がなく、精算の手間も減らせるのが利点です。
何が経費になるかは会社の規程によって違うので、赴任前に確認しておきましょう。
生活費は個人の支払い手段
一方、家賃や食費などの生活費は、個人の支払い手段で払います。
法人カードで私的な支払いをしてしまうと、会社への説明や処理が必要になり、大きな手間がかかることになります。
うっかり間違えないよう、財布やスマホの中で置き場所を分けておくのがおすすめです。
家族が使えない法人カード
法人カードは、社員本人しか使えないのが一般的です。
家族帯同の場合、家族の支払い手段は別に用意しなければなりません。
私の妻は現金で支払っていましたが、今なら家族カードを作っておく方法もあります。
赴任前にやるカードの準備


クレジットカードの準備は、日本にいる間にしかできないことが多いのが特徴です。
赴任してから「やっておけばよかった」と後悔しないよう、出発前に済ませておきたい準備をまとめました。
どれも時間のかかる手続きではないので、渡航の1〜2ヶ月前には終わらせておくと、ほかの赴任準備に集中できます。
カードは日本にいる間に作る
クレジットカードは、必ず日本にいる間に作っておきましょう。
審査には日本の住所や勤務先の情報が必要なので、赴任してからでは申し込みが難しくなります。
私も、楽天カードとデルタ・アメックス・ゴールドは日本で作ってから赴任しました。
VISAとMastercardのブランド分散
2枚のカードは、必ずVISAとMastercardでブランドを分けましょう。
同じブランドを2枚持っていても、そのブランドが使えないお店では役に立たず、ドイツでMastercardしか使えないレストランに出会ったときも、ブランドを分けていたおかげで慌てずに済みました。
これから作るなら、楽天カードをMastercardで作り、VISAはエポスカードにすると、2枚とも年会費無料でブランドを分けられます。
なお、エポスカードの海外旅行保険は、2023年10月から旅行代金などをカードで払ったときに使える「利用付帯」に変わっているので、赴任中の補償は会社の保険を確認しておきましょう。
利用限度額と海外利用の設定
出発前には、利用限度額と海外利用の設定を確認しておきます。
赴任直後は、家具や生活用品などで大きな支払いが続くことがあります。
- 利用限度額の確認と、必要なら増額の申請
- 海外での利用の通知設定
- カード会社の緊急連絡先の控え
カード会社の連絡先は、スマホと紙の両方に控えておくと安心です。
少額の現地通貨の用意
カードとは別に、少額の現地通貨も用意しておきましょう。
ドイツ赴任の最初の1週間は、現金とクレジットカードでしのぎました。
チップの文化がある国では、現金がないと困る場面があるのです。
海外赴任のカードのよくある質問


最後に、海外赴任のクレジットカードについて、よく聞かれる質問にお答えします。
ドイツと上海の2つの赴任で実際に感じたことをもとに、迷いやすいポイントを6つに絞りました。
中国赴任や家族帯同の場合など、状況ごとの疑問にも答えているので、気になる質問だけ拾い読みして準備の参考にしてください。
カード1枚だけで赴任するリスク
カードが1枚だけだと、そのカードが使えなくなった瞬間に支払い手段がなくなります。
紛失や故障、不正利用を疑われての利用停止など、海外ではカードが使えなくなる理由がいくつもあります。
ブランドを分けた2枚に、移動用のアメックスを加えた3枚なら、1枚が使えなくなっても困りません。
中国赴任でクレジットカードが必要な場面
中国では、日常の支払いでクレジットカードを使う場面はほとんどありません。
ただ、ホテルでの支払いや航空券の手配、決済アプリが使えないときの備えとして、持っておく価値はあります。
私は4年間使いませんでしたが、それでも持っていってよかったと考えています。
家族帯同での配偶者のカード
家族帯同の場合は、配偶者がどうやって支払うかを先に決めておきましょう。
私の妻は現金で支払っていましたが、家族カードを作っておけば、配偶者も自分でカード払いができます。
楽天カードの家族カードは年会費無料なので、予備として持っておくのも一つの方法です。
現地の銀行カードを作るべきかの判断
現地で給与口座を開くなら、銀行のカードもあわせて作るのがおすすめです。
ドイツでは、給与口座のECカードが普段の支払いの中心でした。
中国では、現地の銀行口座をAlipayやWeChat Payに紐付けて使うのが一般的です。
デビットカードで代用できるかの判断
デビットカードは、クレジットカードの補助として使うのが無難です。
ホテルの保証金などで不便な場面があるため、デビットカードだけで赴任するのはおすすめできません。
デビットカードを海外で使うときの注意点は、こちらの記事でまとめています。


赴任後にカードを作れるかどうか
赴任後に日本のクレジットカードを新しく作るのは、かなり難しいと考えてください。
住民票を海外に移すと日本の住所がなくなり、審査の条件を満たせなくなることが多いからです。
必要なカードは、すべて出発前に作っておきましょう。
まとめ|海外赴任のカードは3枚
海外赴任のクレジットカードは、VISAとMastercardを1枚ずつ、それにアメックスを加えた3枚がおすすめです。
ドイツでは現地の銀行カード、上海ではスマホ決済が中心で、クレジットカードを使う場面は多くありませんでした。
- VISAとMastercardのブランド分散
- 一時帰国を快適にするデルタ・アメックス・ゴールド
- 出張費は法人カード、生活費は個人の支払い手段
- 家族の支払い手段の事前準備
- 日本にいる間のカード作成
それでも、いざというときの安心のために、3枚は日本にいる間に作っておいてください。
1枚目のVISAには、私がドイツに持っていった年会費無料の楽天カードがおすすめです。
どのカードを選べばいいか比較したい方は、こちらの記事もあわせて読んでみてください。











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