海外赴任の打診を受けて、「行けば得をするのか、それとも損をするのか」と迷っていませんか。
年収が増えるという話を聞く一方で、家族のことや帰国後のキャリアを考えると、すぐには決められないものです。
- 海外赴任で得をするのかの不安
- 家族への負担の心配
- 帰任後のキャリアへの影響
- 断るという選択肢の迷い
海外赴任は、結局のところ得なのですか、損なのですか。



私は「間違いなく行った方がいい」と思っています。ただ、単身赴任のときは、子どもの成長をそばで見られないという大きな代償もありました。
私はドイツのミュンヘンに3年は家族帯同で、中国の上海に4年は単身で駐在しました。
この記事では、2回の赴任で得たものと失ったものを、お金、キャリア、経験、家族の4つの面から本音で紹介します。
海外赴任は得か損かの結論


私の結論は、海外赴任は「行ってよかった」です。
お金の面でも得をしましたが、それ以上に大きかったのは、日本にいたらできなかった経験でした。
一方で、単身赴任のときに失ったものもあったので、まずは私が得だと感じたこと、損だと感じたこと、そして迷っている人に伝えたいことを順番にお話しします。


得だったのは日本でできない経験
一番の得は、日本にいたら経験できないことがたくさんあったことです。
仕事では英語で現地のメンバーとやり取りし、生活では言葉も習慣も違う国で暮らしました。
どちらの赴任でも、日本では出会えなかった人や考え方に触れられたことが、今の自分の財産になっています。
損だったのは子どもの成長を見られないこと
損をしたと感じたのは、単身赴任のときに、子どもの成長を間近で見られなかったことです。
上海に赴任していた4年間、子どもたちは日本で大きくなっていきました。
お金や経験では取り戻せない時間でした。
間違いなく行った方がいい
それでも、迷っている人には「間違いなく行った方がいい」と伝えたいです。
海外赴任で得られる経験は、その後の仕事にも人生にも長く役立ちます。
ただし、どうしても解決できない家族の事情があるときは、断るのもありだと思っているので、後半でくわしく紹介します。
海外赴任のお金のメリット


お金の面では、海外赴任ははっきり得でした。
年収が増えたうえに、家賃や医療費などの大きな出費を会社が負担してくれたので、日本にいるときよりお金が残りやすかったのです。
ここでは、年収、会社負担、最終的に残ったお金の3つを紹介しますが、くわしい金額は年収の記事にまとめているので、あわせて読んでみてください。
年収は日本勤務より300万円以上増
海外赴任中の年収は、日本勤務のときより年300万円以上増えました。
上海は約1,300万円、ドイツは約900万円で、どちらも額面の金額です。
当時の私の会社と役職での条件なので、会社や時期によって大きく違うことは覚えておいてください。


家賃や医療費は会社負担
年収とは別に、家賃や医療費などを会社が負担してくれました。
ドイツでは車が会社から支給され、上海では社有車で送迎してもらい、一時帰国の交通費も家族の分まで会社が出してくれています。
こうした会社負担を含めて考えると、年収の数字以上に得をしていたことになります。
残ったお金は単身も帯同も同じくらい
赴任期間の合計で最終的に残ったお金は、上海の単身赴任もドイツの家族帯同も同じくらいでした。
上海は生活費が少なく、ドイツは物価が高いうえに家族旅行にもよく出かけましたが、結果は同じくらいです。
家族帯同だからお金の面で損をする、ということはありませんでした。
海外赴任のキャリアのメリット


キャリアの面でも、海外赴任は大きなプラスになりました。
帰任後に居場所がなくなるのではと心配する人もいますが、私は2回とも同じ部署に戻れて、上海からはリーダーとして帰任しています。
帰任後の仕事で、海外赴任の経験がどう活きたかを紹介するので、キャリアの不安がある人は参考にしてください。
2回とも同じ部署に復帰
ドイツからも上海からも、赴任前と同じ部署に戻れました。
赴任前と同じ部署なので、仕事の内容や一緒に働く人を知っている状態から、もう一度スタートできました。
帰任後の席の不安については、帰任の記事でもくわしく紹介しています。


上海からはリーダーとして帰任
上海からは、リーダーのポジションで日本に戻りました。
海外赴任をしても、私のキャリアが止まることはありませんでした。
キャリアに不安がある人は、赴任前に上司と帰任後のことを話しておくと安心です。
現地を知る人として頼られる
帰任後は、現地の事情が分かる人として頼られることが増えました。
現地の事情を理解していて、英語が話せて、現地のメンバーとのつながりも強いことが、日本での仕事でも強みになっています。
海外とのやり取りがある仕事では、赴任で得た経験がそのまま活かせます。
海外赴任で得た経験と人脈


お金やキャリアよりも大きかったのは、海外赴任で得た経験と人脈です。
英語の力、現地の人とのつながり、現地の人の考え方への理解は、どれも日本にいたら身につかなかったものです。
家族で過ごしたヨーロッパでの時間も含めて、私が海外赴任で得た4つのものを紹介します。
英語で仕事ができるようになった
ドイツへの赴任が決まったときの私は、TOEIC350点でした。
現地で英語を使って仕事をするうちに力がつき、上海に赴任するときにはTOEIC800点になっていました。
英語に自信がない人こそ、海外赴任は英語を伸ばす大きなチャンスになります。


現地の人脈
赴任先で得た現地の人脈は、帰任してからも大きな財産です。
一緒に働いた現地のメンバーとのつながりは、今の海外とのやり取りでも役立っています。
人脈は、実際に現地で一緒に働いたからこそ得られるものだと感じます。
現地の人の考え方の理解
現地の人の考え方を理解できたことも、その後の仕事で役立ちました。
国によって仕事の進め方や大切にすることは違うので、それを肌で知っていると、やり取りがずっとスムーズになります。
相手の考え方が分かると、海外とのやり取りで行き違いが起きにくくなります。
家族で過ごしたヨーロッパの時間
家族帯同のドイツでは、家族で過ごしたヨーロッパでの時間も大きな経験でした。
EU内は気軽に移動できたので、家族でいろいろな国へ旅行に出かけています。
子どもは幼稚園で友達ができ、妻も幼稚園のママ友と一緒にドイツ語学校に通うなど、家族それぞれが現地の生活を楽しんでいました。
海外赴任のデメリット


もちろん、海外赴任には家族への負担というデメリットもあります。
特に単身赴任の上海では、家族と離れていることの大変さを強く感じました。
良いことばかりではないので、私が感じたデメリットも正直に紹介します。
子どもの成長を間近で見られない
単身赴任の一番のデメリットは、子どもの成長を間近で見られないことです。
一時帰国は年に1回なので、子どもと一緒に過ごせる時間はどうしても少なくなります。
子どもが小さいうちの数年間は、あとから取り戻せません。
家族に何かあってもすぐ戻れない
家族に何かあっても、すぐには日本に戻れないのも単身赴任のつらさです。
子どもが学校のことで悩んでいた時期にも、私はそばにいられず、妻を支えることもできませんでした。
単身赴任では、家族にかなりの負担をかけてしまいました。
日本に残る配偶者の負担
単身赴任では、日本に残る配偶者の負担も大きくなります。
上海の赴任中、妻はフルタイムで働きながら、4人の子どもの面倒を見てくれていました。
単身赴任を選ぶときは、日本に残る家族の負担まで考えておく必要があります。
帰任後に戸惑う社内の変化
帰任したあとは、社内の仕組みが変わっていて戸惑うこともありました。
数年離れている間に、仕事の進め方や社内の仕組みが変わっていることがあります。
帰任後しばらくは、周りに助けてもらいながら、少しずつ慣れていきました。
海外赴任を断るのもありな人


迷っている人には行くことを勧めますが、断るのもありな場合もあると思っています。
海外赴任は、家族の協力があってこそ成り立つものだからです。
どうしても解決できない事情がある場合は、無理に行かない選択も大切なので、私が考える3つの場合を紹介します。


親の介護がある場合
親の介護が必要な場合は、断るのもありだと思います。
海外にいると、何かあってもすぐには駆けつけられません。
介護を家族の誰かに任せきりになるなら、赴任を受ける前によく話し合っておきましょう。
子どもの教育の事情がある場合
子どもの教育でどうしても解決できない事情がある場合も、断るのはありだと思います。
受験の時期や、子どもが今の学校を離れられない事情などは、家族によって違います。
子どもの事情を優先した方がいい場面では、赴任を見送るのも一つの判断です。
家族の犠牲の上には成り立たない
海外赴任は、家族の犠牲の上には成り立たないと私は考えています。
家族が大きな犠牲を払うことになるなら、行かない選択も間違いではありません。
赴任を受けるかどうかは、家族と十分に話し合ってから決めてください。
海外赴任の損得のよくある質問


最後に、海外赴任の損得でよくある疑問をまとめました。
単身と帯同のどちらが得か、英語ができなくても行けるか、帰任後の席はあるか、家族が反対したらどうするか、お金の準備は何をするかなど、迷っている人が気になることを取り上げています。
気になる質問から読んでみてください。
単身と帯同はどちらが得か
お金の面では、単身と帯同で残ったお金は同じくらいでした。
違いが大きかったのはお金以外の面で、帯同は家族で経験を共有でき、単身は家族と離れる負担が大きくなります。
家族帯同か単身赴任かの選び方は、こちらの記事でくわしく紹介しています。


英語ができなくても行けるか
英語ができなくても、海外赴任は十分に可能です。
私もTOEIC350点でドイツへの赴任が決まり、渡航までの準備と現地での仕事を通して英語を身につけました。
英語が話せない状態からの準備は、上の英語の記事で紹介しています。
帰任後の席はあるか
私の場合は、2回とも帰任後の席がありました。
赴任前と同じ部署に戻れて、上海からはリーダーとして帰任しています。
ただ、会社や部署によって違うので、赴任前に上司と帰任後のことも話しておくと安心です。
家族が反対したらどうするか
家族が反対しているなら、まずは家族とじっくり話し合うことが大切です。
海外赴任は家族の協力がないと成り立たないので、家族の不安を一つずつ聞いて、帯同か単身かも含めて考えましょう。
どうしても解決できない事情があるなら、断るのも一つの選択です。
赴任前にしておくお金の準備
年収が増えるとはいえ、赴任の最初には持ち出しの費用があります。
私の場合、会社が多くの費用を負担してくれても、約20万円の持ち出しがありました。
赴任前のお金の準備は、こちらの記事で紹介しています。


まとめ|行ってよかった海外赴任
海外赴任は、お金にもキャリアにも経験にもプラスになる、行ってよかったものでした。
一方で、単身赴任では子どもの成長をそばで見られず、家族に負担をかけたことも事実です。
- 年収は日本勤務より300万円以上増
- 残ったお金は単身も帯同も同じくらい
- 帰任後は現地を知る人として頼られる存在
- 得た経験と人脈は一生の財産
- 家族の負担はしっかり話し合い
海外赴任の打診を受けたら、まずは家族と話し合い、行く場合の準備を一つずつ始めてみてください。
赴任が決まったらやることは、時期別にこちらの記事でまとめています。









コメント