はじめに
「海外赴任が決まったけれど、何から手をつければいいのか分からない」
そんな不安を感じていませんか?
私も初めてドイツ赴任を命じられたとき、嬉しさよりも「やることが多すぎて何から始めれば…」という焦りがありました。
ビザ、引っ越し、保険、家族の準備等々、一つひとつの手続きが重なると、あっという間に出発の日が迫ってきます。
この記事では、駐在員としてドイツと中国に赴任した私の経験をもとに、赴任決定から出発までにやるべき10のことを時系列で整理しました。
これを読めば、やるべきことの全体像がつかめて、安心して赴任準備を進められます。
STEP1 会社への確認と赴任スケジュールの把握
海外赴任が決まったら、まず最初にやるべきは会社への確認です。
ここを曖昧にしたまま準備を始めると、後から「それは会社負担じゃなかったの?」というトラブルになりがちです。
確認しておきたい主な項目
- ビザ・フライト・住まいの手配は会社が行うのか?
- 引越し業者は指定されているか?
- 家族帯同の場合のサポート内容(家賃補助・学校支援など)はあるか?
- 赴任期間や契約条件(現地採用扱いか、出向扱いか)
【実体験】
ドイツ赴任の際、会社が住居とビザ申請をすべて手配してくれたのですが、現地会社の人事部門の専門的な対応ではなく、技術部門である私の現地人上司による手配でした。専門知識を持っているわけではなく、当然スムーズに契約、申請が進みません。何度も役所に通う事になり、仕事に支障が出るほどでした。
STEP2 ビザ・パスポートなど渡航手続きの準備
次に取りかかるのが、渡航手続き関係です。
国によってはビザ発行までに1〜2か月かかることもあるため、早めの着手が肝心です。

チェックリスト
- パスポートの残存有効期間(1年以上が安心)
- ビザ申請に必要な書類(招聘状、在職証明、健康診断書など)
- 写真の規格・書類の翻訳有無の確認
- PCR検査やワクチン証明の要否(国によって異なる)
ワンポイント
- 会社に頼るだけでなく、大使館・領事館サイトも自分で確認
- 書類はクラウド保存+印刷コピーで二重管理
STEP3 住まいの整理と引越し手配
単身赴任の場合
- 家族が残る場合は、生活費・公共料金の口座引き落としを整理
- 郵便物転送・自治会対応も忘れずに
家族帯同の場合
- 持ち家:賃貸に出す or 管理を委託
- 賃貸:解約日をビザ発行・出発日に合わせて調整
- 学校・勤務スケジュールに合わせて引越し日を決定
【実体験】
上海単身赴任時、「また戻るかも」と思って荷物整理を後回しにした結果、帰任時の片付けが倍の手間になりました。出発前の断捨離は徹底的にやるのがおすすめです。
STEP4 銀行・お金の準備
海外赴任では「お金の流れ」を事前に整えることが重要です。
チェックリスト
- 給与の支給方法(日本 or 現地)
- 海外送金の仕組みと手数料
- クレジットカードの海外対応
- 家族への生活費送金ルール
【実体験】
上海では給与全額が人民元支給で、口座開設の遅れが大きなストレスでした。赴任前に会社と銀行の手続きを確認しておくと安心です。
STEP5 健康診断・保険の確認
確認すべき項目
- 海外旅行保険 or 駐在員保険(会社契約 or 個人契約)
- 医療費キャッシュレス対応
- 扶養家族の健康保険の扱い
【実体験】
ドイツ赴任時、帯同家族の保険が別契約だったため、赴任直後に現地で追加手続きが必要でした。
ワンポイント
- 歯の治療は必ず日本で済ませる
- 健康診断書は英語表記で発行してもらう
STEP6 荷物の仕分けと発送準備
荷物の3分類
- 船便(到着まで1〜2か月)
- 航空便(1〜2週間)
- 手荷物(出発時に持参)
【実体験】
炊飯器などの日本家電は電圧に注意。変圧器を多めに持っていくと便利です。
ワンポイント
- 船便には防湿・防虫対策を
- 航空便は重量制限に注意
STEP7 現地住居・生活環境の下調べ
調べておきたいポイント
- 住居エリアと治安
- 通勤手段と距離
- 医療機関・学校の場所
- 日本人コミュニティの有無
【実体験】
上海では会社指定住宅が便利でしたが、食材や交通の利便性には差がありました。現地のブログ・SNSから情報を得るのが効果的です。
STEP8 家族の準備(帯同 or 留守番)
家族帯同の場合
- 子どもの学校・予防接種・パスポート
- 家族ビザの申請とスケジュール管理
単身赴任の場合
- 生活費・通信・緊急連絡のルール作り
【実体験】
上海単身赴任中は、週末のビデオ通話をルーティン化することで家族との距離を保てました。
STEP9 現地での仕事準備(文化・言語・マナー)
準備のポイント
- 現地スタッフの文化・働き方の違い
- よく使う現地語フレーズ
- 現地の祝日・休日の把握
【実体験】
ドイツでは「即レス文化」がなく、メールの返信が遅いのは普通。文化を理解するとストレスが減ります。
STEP10 出発前の最終チェックと心構え
最終チェックリスト
- パスポート・ビザ・契約書
- クレジットカード・現金・海外SIM
- 緊急連絡先リスト
- スーツケース重量確認
【実体験】
出発前夜、パスポートコピーを入れ忘れて焦った経験があります。印刷したチェックリストで「指差し確認」がおすすめです。
まとめ
- まず「会社との確認」「スケジュール把握」からスタート
- ビザ・銀行・保険は早めの行動が鍵
- 家族・荷物・心の準備をバランスよく整える
- 不安があっても、一歩ずつ進めば必ず整う
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